雛人形

先日3月3日のpm.11:45分、私の部屋に飾っていた3体のミニ雛をあわてて片付けた。「お雛様は、3日中に片付けないとお嫁に行けない」という迷信。この歳になってお嫁に行けないでもないが、何か緊張感がある！
18年前に物産展で買ったミニ雛
家には七段飾りのお雛様がある。右大臣と左大臣を除いた人形達と雛道具は、物心がついた頃には既にあったのだが、どうやらそれは新品ではないらしい。年の離れた従姉妹から譲り受けたものだったのだが、友人達の新しいお雛様と比べると、豪華な冠をかぶり、細面で美人なお雛様が自慢だった。何年か後になって、右大臣と左大臣も買って貰ったのだが、二人の手はプラスティックでできており、子供心に安物だ！と思ったりしたものだ。雛壇飾りでスゴイのは、なんといってもお道具達だ！なんという豪華なミニチュア家具！私がキットで作ったドールハウスの家具とは、比べものにならない精巧な作りだった。五人囃子が持つ堤には赤く細い糸が巻かれ、お針子道具には小さな針刺しがついており、
お茶の道具には超ミニチュアの茶筅が付いている。幼い私は雛道具を使ってリカちゃん遊びをしたくてたまらなかったが、子供ながらに、それはしてはいけない事と感じていた。牛車に跨がらせるくらいはしたが。牛車といえば、弟がまだ2才か3才くらいの時に、御近所の雛段飾りの牛車に乗ってしまったという事件があった。うちではやったことがなかったのに、よそでやるとは・・・。一度乗ってみたくてしょうがなかったに違いない。うちでやると叱られることをわかっていて、よそで実行してみたのだろう。
七段飾りの雛人形はもう10年くらい押し入れの中だ。飾っていた部屋が今や母親のアトリエと化し、物がいっぱいで取り出すことが不可能にな
七段飾りのお雛様
ってしまったこともあるが、大人5人が暮らす家には、もはや飾る場所もない。ましては猫が9匹もいるのだ！出したら最後、猫にメチャメチャにされることは目に見えている。姪が生まれた時に譲る事も提案したのだが、姪はリアルな人形が怖いらしく、ことわられてしまった。かわいそうなうちのお雛様。次ぎに出してあげられるのはいつのことだろう。
二年前に、母が京都物産展で買ってきたミニ雛
最近はミニ雛を自分の為に買うという大人の女性が増えているらしく、ひな道具のミニチュアもバラで販売されていて、自分の好みで選んで購入できるようになっているらしい。
先月、近所にある陶芸ギャラリーを覗いてみたところ、私が持っているようなミニ雛が沢山展示販売されていた。ギャラリーの雛人形をみていたら、オリジナルのミニ雛を作りたくなった。モデルは小さな姉弟！姉は弟をお内裏様になるよう強要してる。姉は晴れ着を着せてもらい、桃の花模様の扇子を持ち、お内裏様役の弟は折り紙で作った冠をかぶり、杓文字を持たされている。最近、初孫に女の子が生まれた叔母に頼まれ、２体目を作ったのだが、2体目の人形達の顔は、なんだか幼い頃の私の姉と弟によく似ている。2004/3/７
左が最初に作った姉弟雛、右が二体目。