出来損ないの綿の実

まずは２ヶ月も更新しなかった言い訳から。
９月の中頃に母が入院した。盲腸の辺りに何か固いできものがあるということで、９月の末にスペイン旅行を控えていた母は、念の為に病院へ。入院しての検査の結果、できるだけ早く腫瘍の切除をするということに。現在母は手術を終え、一ヶ月半の入院の後、今は通院での治療中なのであるが、母が入院したその日から、都落ちして出戻った嫁に行かない私の仕事が激増したのだ。
毎日の主婦業と、１２匹の猫の世話、今までどうりにオークションへの出品と、やらなくてはならないことを何とかやっているうちに、気がつけば１１月も末で、キリ番も間近！あわてて更新している始末である。マメにチェックしてくださっていた皆様、本当に申し訳ない！！オークションへの出品数も当然減った為、ブライス洋服集もあまり溜まっていない。
そんなわけで、今回は園芸の苦手な私が育てた綿の実のお話である。
秋も深まる頃になった頃から、オクのブライスお洋服setに自然素材のブローチをちょくちょく付けるようになった。庭の落ち葉を掃く時に、サザンカの実の殻や、枯れツタなどを拾い集めたものを使用して、小さなオブジェを作るのだ。自然素材のブローチは、ニットやツウィード素材に良く似合う。先日出品したsetには、今年私が栽培した出来損ないの綿の実も使用した。パッと見にはバラの蕾みのようであるが、開かないまま枯れてしまった綿の実なのである。
綿の種を見つけたのは、今年の春に立ち寄った１００円ショップだ。もともと植物を育てるのは苦手な方で、いままで枯らした植物は数知れず。よっぽど丈夫な植物でなければ、あっという間に枯らしてきた。そんな私が綿花の栽培缶詰めを見て夢を見てしまったのだ。まあるく開いた綿の実の姿を！もともと１００円のものだから、軽い気持ちで購入。早速植えてみることに。綿の芽は意外なほどあっさりと芽吹いた。
今年は天候がよく、すくすくと綿の双葉は育っていく。種についていた説明書には、開花まで約一ヶ月と書いてある。本当か？綿の栽培なんて未知の世界である。で、ネットで検索してみると、北海道で綿をみごと実らせた方のページを発見した。読みすすめてみると、綿を収穫したのは冬である！しかも綿の栽培は東北や北海道では、かなり難しいらしいことが判明。そういえば、綿といえばインド綿が有名である。インド！！暑いところではないか！しかも収穫まで約半年！この私に育てることが可能なのだろうかと疑問に思いながらも、成長した芽を一つずつ鉢に植え変えることに。
ベランダで植え変えをしていると、なんと目の前に蜂の巣が！！！約２cmの足長蜂がせっせと巣を作っている。退治も考えたが、小さな蜂である。可哀想になり、そっと綿の鉢を移動して、今年は蜂と共存することに。のちにこの蜂達は綿花についた油虫を食べてくれると信じて。
７月に入り、夏の猛暑続きで、綿花はぐんぐん成長！しかし、蕾みらしきものがなかなか現れない。いったいどれが蕾みなのか？この私が毎日水をやり、蕾みはまだか？と観察。おっと危ない！朝は必ず葉にベランダの蜂が来ている。油虫を駆除してくれているのかしらん。８月の中頃になって、ようやく蕾みらしき塊が！蕾みが顔を見せた時は、葉と区別がつかなかったのだが、三枚の葉が重なりあう、ホウズキのような蕾みである。
初めに蕾みを発見して１０日ほどたった頃から花が咲き始めた！初めて見る綿の花は５cm程の大きさで白いきれいな花である。この私が、１００円ショップで買った種から花を咲かせることができるなんて、しばし感動！！しかし、白い綿の花はとてもはかなくて、次ぎの日には花びらの縁が薄いピンクに変化し、夕方にはしおれてしまうのだ。綿花を観察していると、花は種を作る為の手段にすぎないのだと感じた。もう少し長く咲いていて欲しいのに。
花が終わると、枯れた花の根元が膨らんで来た！！とうとう綿の実の登場だ！ここまできたら、いけるでしょう！出来るでしょう！綿の実が！一番大きな物で約３.５cm程の大きさである。この頃は思った以上の成長ぶりに綿の実栽培の成功を信じて疑わなかった。しかし、この後私の綿の実の成長は止まってしまったのだ。
栽培を成功させた方の手記によると、大きなものは１０cm程になっているという。私の綿の実はわずか３.５cm程度で成長がとまり、大きな葉がばらばら落ち始めて、あっというまに丸裸に。秋になって気温が落ちたからなのか、鉢が浅すぎて、土からの栄養がたりなかったのか、何かの病気にかかってしまったのか、原因は不明。水をやってみたり、気温の下がる夜は室内に移し、日の当る昼間はベランダにと手間をかけるも効果はなく、綿ノ実自体が乾いた感じに先が茶色に枯れてきてしまった。9月の中頃、母が入院し、部屋に放置していた綿の実が開いた！というより割れた。
割れた綿の実の中には固くしまったままの綿が顔を見せた。そのうち乾燥してふわふわになるかも？と僅かながらも期待していたのだが、ふわふわになることなく、まるで皮を剥いた蜜柑のような、繭のような姿のまま、初めての綿花栽培は失敗に終わってしまった。ふわふわの綿ノ実にはならなかったものの、一生懸命育てた固い綿ノ実はそれなりに味があって可愛いものである。クリスマスリースにはなれなかったけれど、可愛いブローチの一部として活躍してもらおう！さて！来年再挑戦してみるか？！飽きっぽい私である。花を咲かせただけで満足してしまった。来年は食べられるものに挑戦する予定。ゴーヤは育て安いと聞いたが、またまた南国の植物だ！東北ではこれいかに？！2007/11/23